豊島区南長崎公園のトイレ外壁に絵を描いたよ、3月には工事終えて見られるそう。

先月の後半、二週間かけて東京都豊島区の南長崎公園に建てられた新しいトイレの外壁に、絵を描いてきました。48年ぶりの大寒波というやつと重なりまして、雪と戦いながら描くというなかなか良い経験になりましたよ。SNSには経過を報告していましたが、完成した壁画の写真はまだ載せていなかったので、以下にまとめます。

最終日、描いているところ。

 

寒いのは予想していたので、事前に防寒対策はばっちりしていて、寒さを感じずに描くことができました。両手首に仕込んだハクキンカイロのおかげで、指先も冷たくなかった。

 

これは図面を元に事前に作っていた模型。これ描いた後で、地面の色だけレモン色に変更することに。実は秋冬と、役所の担当のかたや絵の具メーカーのターナーさんなどとあれこれやりとりを重ねていたのでした。

 

  以下、完成したトイレ壁画の写真と絵の解説!

 

この面は公園。挨拶しているお兄さん(犬の散歩中)とお母さん

 

挨拶とかしなくていいから早く公園に行こうと泣いている子。

 

すべり台。となりの面にブランコも。

 

ベンチでスマホ。誰とつながっているのかな。

 

隣の面との境にカップル。これ、角です。見つめる先、角を曲がると相手が。目がハート。

 

カップルの足元には、隣の面の扉のむこうからリードが伸びていて、散歩中の犬。

 

こちらは公園の中に向いている面。保育園のお散歩と、お年寄りたち。背景にみっちり並んでいる四角い家々は、三角の屋根を前面だけ四角くしてまるでビルみたいに見える看板建築。かつて商店街だったこの界隈に多く残っている。

 

保育園のお散歩カート。商店はほとんどなくなって今は住宅街で、近くに保育園が多い。このカートの光景をよく見かけます。

 

お散歩する園児たちに声をかけるお散歩中のお年寄り

 

お父さんが保育園に連れて行く光景も、よく見る。おや、空になにやら丸いものが飛んでいる。

 

その角を曲がると、ジョギングする人。角のあちらとこちらにまたがる絵を描くと、見る角度によって絵が動いてしまい絵が破綻するんだけど、角の部分に足の関節をもってきたことで、絵が動いても平気に。背景の建物も、角を利用してます。

 

ジョギングの人のいる面。カラフルなランドセルの子たちが登校中。

 

スケッチブックとベレー帽。画家です。ここはかつて日本の漫画の伝説を作ったトキワ荘があった町。そのさらに昔、昭和の初期には芸術家のためのアトリエ付き借家がたくさんあって、画家や彫刻家がたくさん暮らす「池袋モンパルナス」と呼ばれるアトリエ村を形成していたんだそうな。 Gペンとか絵筆を持って街を歩いているのはちょっと不自然なので、スケッチブックにしましたよ。

 

子どもたちのいる角を曲がると、こちらは公園の外の道路から見える面。元気よく子どもたちが走っている様子。この子達の足が地面についたところから砂埃のように、丸い光が空に飛んでいきます。

 

先頭の女の子の顔。口の中は海と空。あなた達の中には無限の可能性。

 

女の子の奥には自転車を漕ぐ男性とお店のおじいさんが挨拶。

 

タイトルは「こども おとな としより めぐる ぐるぐる」めぐる(巡る、廻る)、は周囲をまわることと、一周回ってもとにもどること、なんかの意味があるそう。子どもたちもいつかお年寄りになる、そんで子どもを見て声をかける。そんなふうにめぐる。

 

こちらは描きあがった時に撮った動画。ぐるっと一周まわっているので、角の感じがわかりやすいかな。

 

2週間の描く期間の真ん中くらいの日に4年ぶりの大雪。この写真は翌朝、必死で屋根の雪だけおろした後に撮影。構造上、屋根の雪をおろさないと、残りの4日間描いているところに雪溶け水がポタポタ落ち続けることになりそうだったので、頑張って雪下ろしをした。おろしたのは主に若き現場監督さん。大感謝。ありがとう。ちなみに雪が降る中でも描いてみましたが、絵の具がぜんぜん乾かないので、やってはいけません。さらに言うと塗膜の内側で水分が凍ったりたまったりして、塗装面が浮いてしまう恐れがあるそうで、やってはいけません。

 

雪がやんでからも寒波は居座って、気温の低い日が続きました。現場監督がバケツに水はってくいをさしておいたら、翌朝こんなことに!分厚い。

 

ついでに、筆洗いのバケツが凍るという恐怖体験の投稿も貼り付けておきますね。

 

描いた絵について

四角い建物の四面全部に描けるとのことで、周囲をぐるりと取り囲むとても長細い画面を活かし、道行く人々がぐるりと一周つながっている絵が描けたら面白いなと考えました。

僕自身が周辺に十数年暮らいているからこそ描けるものがあるはずだと考え町を観察し、目に入った保母さんとお散歩カートや自転車や子どもたちやお年寄り、昔商店だった家々の並ぶ様子を描きました。

 

壁画超楽しい、今後もたくさん描きたい

壁画、大きくてとても楽しいです。机の上で紙やPCに描くのとは違って、腕肩背中腰足まで使って全身で描く感じ。ライブハウスや、飲食店などなど、今までも描かせていただいていますが、今後もどんどんトライしたいので、お気軽にご相談下さい。

 

来月は、居合わせた子どもたちと壁画描くよ

そうそう、たぶん3月10日土曜(雨天なら翌週3月17日)になると思うのですが、池袋本町プレーパークという子どもたちが自分たちの責任でのびのび遊べて気が済むまで穴掘りとか泥遊びとか焚き火や木登りができるところで、資材置き場となっている物置の壁面(幅4m×高さ2mほど)に、居合わせた子どもたちと「遊んでいるところの絵」を描くことになりました。参加無料。服についたら洗っても落ちない絵の具を使うので、汚れていい服で来てね。詳しい日時等確定したら近日告知します。
http://playpark.tokyo/

自分一人できちんと描く壁画もですが、子どもたちと壁画を描く活動も、場数を踏んでいきたい!

 

あと、「としま会議」というのに出ます

それから、来週末2/17(土)にとしま会議というトークイベントに、ゲストスピーカーとして出て話します。豊島区界隈の面白そうな人を5人呼んで、7分ずつ身の上話を喋らせてお客さんに聞いてもらって、その後は一時間ほど食べたり飲んだりしながら話ししたい人とどんどん話そうぜ、なんなら新しくなにかしてみようぜ、みたいな感じの、会議っていう名前だけどトークイベント&立食交流会的なやつです。このイベント、3年続いていて、地域でいろいろな新しいことがはじまっているそう。ここでも「壁画描きたい」って連呼してきます。定員40名、達したら当日券出ないそうなので、要予約、とのこと。
https://toshimakaigi31.peatix.com/

 

そんなこんなで、2018年の1月は壁画とともに駆け抜けました。今月はサイトの更新作業に力を入れてます。3月から大好きな野外イベント等も始まるので、備品のメンテナンスとかサイトの更新とか新商品の開発とかもろもろ2月中に整えておかないと。

 

壁画は今、シートで覆われてます!3月には見られるそう。(見られるようになりました)

大事なこと書き忘れてた。このトイレ、まだ工事が完全に終わってなくて、現在(2/10)絵の周りに白いシートがぐるぐる巻きになっていて、見られません。区の最終検査とかが終わるのが2月後半くらいとの話でしたので、3月にはシートもなくなってトイレも利用できるようになるんじゃないかな。その際にはまた報告します。

 

2018/3/2 追記
工事完了、見られるようになっています。

2月末に検査があるとの話だったので、今朝公園に行ってみたら、周囲のシートもなくなり、トイレが利用できるようになっていました。是非、南長崎公園に行ってみてください。椎名町駅と東長崎駅のあいだくらいにある、小さな公園です。

 

 

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