かつて挿絵を担当させていただいた絵本「戦争のつくりかた」のアニメーション作品が制作され、本日よりウェブ上で無料公開。映像作家やアニメーターなど約40人の合作だよ。

以前挿絵を担当した絵本「戦争のつくりかた」のアニメーション作品がウェブ上で公開されました。アニメーターや映像作家など約40人の皆さんの合作。短いアニメーションがリレー形式で進む7分ほどの作品です。先に断っておくと、僕はアニメーションには一切関わってないです、僕の挿絵もエンドクレジット以外は出てきません。べつに仲が悪いとかじゃないよ、大尊敬、大感謝。

特設サイトには、映像化の経緯(英文併記)とか、新聞記事とか、著名人の言葉(おお伊勢谷友介さんも!)とかも。是非一度ご覧になってください。

■NOddIN 戦争のつくりかたアニメーションプロジェクトのサイト
NOddIN-sentukuhttp://noddin.jp/war/index.html

僕は、12年前(と2年前にも新装版が)に作られた絵本の挿絵を担当しました。文章は僕が考えたものではなく、正直なところ断定的で強い語尾にはちょっと引いちゃう部分もある。そんなに言い切らなくても、みたいな。

僕自身は、安保法制とか憲法とかいろいろ変えるべきだと言う人々が皆、「戦争したがっているのだ」とは思いません。「国民の命を守るために法律を変えなくてはならない」という考え方の人も「変えるべきではない」という人も「その変え方はちょっと乱暴で危険じゃないか、もうちょっと議論してよ」という人も、おおかたの人々は「戦争そのものは嫌だ、回避すべき」と言う点では、温度差はあるだろうけれども共通していると思う。

「なんとしても、ゼッタイダメ、なにがなんでも戦争は回避すべき」
「やむを得ない場合はあるかもしれないが、なるべくなら、戦争は回避すべき」
そういう温度差。
戦争したくてうずうずしている日本人なんて、一人もいないとは言わないけど、いるとしても特殊なわずかの人でしょ。

つまり方法論は違っても、根底が全く違うわけじゃないと。ネット社会、両極からものを言う人の言葉ばかりが目立ってげんなりする人も多いだろうけれども、現実はそんなにくっきりはっきり極端ではない。いろんな人の意見がそれぞれに一理あったりするわけで、全国民的にもう少し関心が高まれば議論も深まって、去年やおととしの夏のような強引で不思議な審議の進め方はできなくなると思う。

多くのアニメーターさんが関わったことで絵柄もさまざまで見ていて飽きない。僕の地味な絵ばかりが続く絵本を読むのと比べて、とても見やすくなったと思います。ネットで誰でも見られるし。

俺はこの部分はこう思う。
わたしはこの点は違う考えだな。
こういう未来にならないためにはどうすれば。

賛同じゃなくて良いんです、多くの人が社会とか政治に関心を持ったり、意見を言うきっかけになると良いなと思います。

7月の選挙まで、あと半年もないんだね。僕らや子どもたちが今後進む道を大きく左右するような選挙だと思うので、夏までのあいだに、ふだんの暮らしの中でもっとたくさんの意見が飛び交うようになると良いと思う。ゴシップもいいけど、政治も面白いと思うよ。工夫を重ねれば殺しあわずに暮らせるのだろうか、人類の壮大な大実験。何百年か前は日本でも県単位で戦争してたんだものね、不思議だ。

 

ところで、絵本「新・戦争のつくりかた」はマガジンハウスから今でも販売中。絵本の各ページのことばがどういう法律や国会答弁に基づいているかとか、安全保障関連の年表とか、地図など巻末資料も豊富で、アニメーションとは別の角度からじっくり掘り下げられます。1080円。アマゾンでも街の本屋でも買えるよ。

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